大阪駅から、新快速に乗り、兄やんの気分と同じく晴れやかな天気の中、西へ向かう電車の中で寝たり起きたりしていた。土曜だったためか、比較的早い時間だったのに朝のラッシュからは逃れ、席にも座れたため、結構くつろいでいた。
そして、しばらくすると、姫路駅に着いた。特に姫路に何か用があるわけでもなかったが、大阪駅から普通に買える切符が姫路までだったので、とりあえず姫路までの分の切符を買い、そして姫路に着いたのだった。
姫路といえば、姫路城を思い出す人がほとんどだと思うけど、当時はまだ歴史に興味がなかったので、別に行きたいとも思わなかったので、姫路城に行くことはなかった。それから30分ほど駅周辺をうろついたが、大阪から近く、辺りに特に何もなかったので、もっと西へいくことにした。
そして、駅にいた遠足か修学旅行生を横目に、姫路駅にあったATMで、金を下ろして、さらに西を目指した。電車で姫路から西へは、新幹線で福岡に行ったことしかなく、よく分からなかったが、まだ行ったことのない広島に行こうと決めた。
当時の兄やんは、カープファンだったため(山本浩二政権時代は一時的にファンを離脱)、市民球場で野球(カープ戦)がみたいと思い、気分良く鈍行列車に乗り込んだ。姫路からの鈍行列車の景色は、のどかな自然と程よく眩しい太陽が気持ちよく、電車に乗りながらなんとなく癒された。
よく、TVや映画とかミュージシャンのPV(プロモーションビデオ)みないな感じで、電車内も、電車からの風景も心地よく感じた。そうやって、その風景に見とれながら、うとうとしているうちに、岡山駅に着いた。
岡山では、特に何をするでもなく、とりあえず駅構内をブラブラしてまたさらに西へと向かった。岡山を出てしばらくうとうとしていると、切符の確認に車掌がまわってきた。兄やんは、Jスルーカードを提示したが、この区域では使えない、とのことで、姫路から広島までの切符を急遽買うことになった。
そして、途中、ある駅で、乗り換えミスをしてしまい、遠回り(海岸沿い)する方の路線の電車に乗ってしまった。 しかし、夕方まで時間もあったので、そのまま遠回りを楽しむことにした。途中、腹が減ったので降りようと降りた駅は、無人駅だったので、そのまま駅を出て近くのコンビニでパン、おにぎりと、ビールを買い込んで、駅に戻って、陽に当たりながら飲み食いしていた。
駅に戻ると、1時間近く待つ必要があり、退屈だったので、近くにいた中学生くらいの女の子が3人の話に耳を傾けた。その女の子たちは、何やら先生の悪口を言っているようで、その内容と広島弁が兄やんにとっておもしろく、その話を肴にビールを飲んでいた。
とはいっても、電車はなかなか来なかったので、女の子たちの会話にもだんだん飽きてきた。特にやることもなかったので、音楽を聞きながら、ぼんやりと山を眺めていた。ちょうどその風景と、おかれている状況が、奥田民生のアルバム「股旅」のジャケットに雰囲気が似ていたこともあって、アルバム「股旅」を聞きながら、電車が来るまでまったりとしていた。
しばらくして、全部ビールを飲みほした頃にちょうど電車が来て、それに乗ってまたうとうととし始めた。そうしているうちに、ようやく待望の「広島駅」に到着した。
後に、この姫路のATMで金を下ろしたことが、捜索段階で発覚し、兄やん捕獲の布石となる。