目が覚めると、来たときにはおいてあったハズのメニューがさげられていた。
前日、職場近くの駅を出てからスグに電車の中で眠ってしまったが、帰省本能というものなのか、自分の家の近くの駅に着くと、目が覚めた。これは、兄やんの潜在意識がこのまま実家に帰るように促しているのか、それとも習慣によるものなのか、少し迷ったがもう戻る気はさらさらなかった。
「もう誰とも関わりたくないんだ!」
という強い意志と、猛烈な睡魔(仕事の疲れ)のために、そのままもう一度眠りについた。次に目が覚めた時は、天王寺駅という乗り換えの多い大きな駅で、切符を買った時はこのまま乗り換えずに、終点の駅まで行く予定だったが、気が変わり、大阪駅を目指すために、乗り換えることにした。
次に目が覚めると、ちょうど大阪駅に着いたくらいだった。寝ぼけていたのと疲れていたのとで、ゆっくりと改札まで歩いていたが、最初に買った切符では、料金が足りなかったので改札の駅員に残りを払おうとした。
しかし、改札に駅員が一人もおらず、探すのも面倒だったので、そのまま改札を通り抜け、大阪の夜の街を歩くことにした。とりあえず喉が渇いたので、まずはコンビニに立ち寄り、ビールとウイスキーを買い、音楽をガンガンにかけて、大阪の夜の街をアテもなく、ひとりで飲み歩いていた。
何時間か経ち、手持ちのアルコールがなくなったのと、腹も減ってきたので、コンビニに立ち寄り、パンとおにぎり、そしてビールを補充した。そして、歩くのも疲れたので、ちっちゃいビルの前に浮浪者のごとく座り込み、パンとおにぎりをたべながらビールを飲んでいた。
座っていると、ネコが近づいてきたので、食べてたパンやおにぎりを分けてあげたけど食べなかったので、コンビニに行ってネコのエサを買ってあげた。そして、用を足した後座っていると、知らないうちにまたうとうと眠りについてしまった。
どのくらい時間が経ったのかは分からなかったが、寒さで目を覚ました兄やんは、少し酔いが醒めていた。5月とは言っても、まだまだ深夜に外で半袖+シャツではさすがに寒い。
酔いが醒めたことも重なってか、かなり震えていたので、とりあえずどっか室内に入ろうと、開いてそうな店を探した。こんな時間に開いてるのはファミレスかバーくらいしかないな~、と思いながら、ちょっと歩くとファミレスを発見&直行した。
入ってからも、しばらくは寒くて震えていた。そして、注文もしないで知らないうちにそのまま眠りについてしまっていた。
来た時にはメニューがあったのに、目が覚めると置いてあったメニューがなくなっていたので、出るに出られなくなった。注文したいけどメニューがない。どうしようか、しばらく悩みながら斜め向かいに座っていた客を人間ウォッチングしていた。
見ていると結構おもしろかったのだが、その客が帰ると、周りには兄やんと結構年をとった夫婦っぽい人だけになり、気まずくなってしまった。そして、隣の席においてあったメニューを見つけ、「きのこ雑炊」を頼み、とりあえずホッとした。
しばらくすると、きのこ雑炊が出てきた。その時は、飲んだ朝やったからなのか、寒さで震えていたせいか、たかだかファミレスの雑炊が、ものすごく「おいしく」感じた。食べ終わって、外を眺めると、太陽の光が入ってきて気持ちよかった。
その後、何も頼まず寝ていたのにも関わらず、何事もなかったかのように支払いを済ませ、店を後にした。 そして、仕事やいろんな今までのしがらみを思い出すこともなく、そのまま大阪駅へと向かった。
駅に着いたものの、特にどこへ行く、というのも決めていなかったのだが、とりあえず西に向かう電車に乗ることにした。