兄やん公式ブログ 2

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そうこうしているうちに、辞めるために手当たり次第いろんな手法を用い、段取りを整えていった。 そして、ようやく明日、会社側に辞めることを伝えるための時間をとることにこぎ着けることができた。

とはいってもその交渉次第では、辞められるかどうかもまだ分からない状況で、例え辞められたとしても、いつから辞められるかどうかも分からない状態ではあったが・・・。

それはともかく、その日はいつもより早く仕事が終わり、時間を見てみるとまだ10時過ぎだった。この仕事にある程度慣れてきたのか、「まだ10時か?」という感覚になっている自分に気づき、若干怖くなったが、そんなことよりも辞めるための交渉のことが頭をもたげた。

ちなみに、次の日は、半休(昼まで仕事で、昼から休み)ということで、その時にいっぺんにカタををつけよう、という風にモチベーションも高まり、明日さえ頑張ればもう解放されると思い、久々に心が躍った。

あらかじめそのことについて、前日までに親には連絡していたので、「いよいよ明日帰れる」ということを伝えようとケータイを見ると、おとんからメールが入ってきていた。

「んー、珍しいなー」

と思ってメールの中身を確認すると、

「やっぱり、まだ辞めるべきではない。もう2ヶ月続いたんやから、体も慣れてきているハズやから、つづけなさい。その方が後々兄やんのためになる」

といった内容だった。

やっとこさ辞めることを伝えるための時間をとれるよう説得し、前日までは辞めることを同意してくれていたハズのおとんが、土壇場にきていきなり手のひらを返すようなことを言い出した。これは、辞めた後実家へ戻ることを拒否する、と兄やんは捉えた。

「あぁ!?今頃になって何ぬかしとんねん!このボケがぁ!!」

兄やんは、そのメールを見終わるなり逆上し、頭に血が上りながら、鬼の形相でメールを打ち返した。

メールが帰ってくるまで、一人でイライラしながら明日に備えて外に出る準備をしていた。その間、今までホテルで働いてきた時のことや、調理学校でのことなど腹の立つことばかりが頭の中を駆けめぐり、完全に冷静さを失っていた。

そして、なかなか返事が返ってこなかったので、おとんに電話をかけてみた。しかし、電話におとんは電話に出ず、留守電になってしまった。

「どうせ酒でも飲んだくれて眠りこけてるねんやろう!」

そう思った瞬間、兄やんの頭の中で、今までどんなことがあっても支えてきていた部分が、根こそぎすっ飛んでしまった。兄やんは、鬼の形相から力が抜け、一転無表情になり、何もかもがどうでも良くなってしまった。

気がついた時には、手持ちの荷物とともに、ホテルの寮の外にいた。といっても、荷物らしい荷物は持たず、そのまま飛び出してきたような状態だった。他に特に必要なものもなかったので、そのままスグに寮を後にした。とにかくあの場を離れたかった、というのが正直なところだった。

この時、どこに行くかなんかは全く決めてもいなかったが、とりあえず駅の方向に向かいながら、ケータイの中に入っていた人間のうちの何人かに、

「もう会うことはないでしょう」

というようなメールを送っていた。

駅に向かいながらしばらく歩いていると、一通の返信メールが届いた。普通ならここでメールを見て、気持ちが揺らぐところだろうが、そうなるのを恐れた兄やんは、内容を確認することもなく、普段モノには当たらない兄やんが、目の前の壁にケータイを叩きつけた。

「もう誰とも関わりを持ちたくないんだ!」

家族、親族、友達、先輩、後輩・・・。

もうこれ以上誰とも話したくなかったし、もう2度と会いたくなかった。

「姿をくらまし、有り金を使い果たし、金がなくなればその辺で野たれ死ねばいい」

そう思い、とりあえず遠くへ行こうと駅へと向かった。

駅に着き、切符を買おうと財布を広げたが、その時にに身分証が目に入り、

「何かの拍子にこれが原因でバレるのではないか?」

と思い、近くにあったコインロッカーに、当時愛用していた帽子と一緒に身分証を隠しておいた。

そして、大阪の難波駅までの切符を買い、終電間近の電車に乗り、とりあえず職場のそばから離れた。電車の中で、カバンの中に入っていたウォークマンを取り出し、「イエモン」の曲を聴きながら、溜まりに溜まった疲れのせいか、知らないうちに電車に揺られながら眠りについた。

壁に投げつけたケータイは、残念ながら壊れておらず、後ほど拾った人間が、メモリから女友達だけにかけまくる、という事態がおき、兄やんに異変が起こったことが伝わりはじめる。

さらに、身分証と帽子が後日発見され、兄やん捜索の1つのてがかりになってしまうのであった・・・。

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コメント (2)

本当にあった実話ですか。
府行くしょんならこの主人公はかわいすすぎる!

▲追立征子さん
これ、実話なんです(苦笑)。
まあ、今となっては笑い話にもなるんですが、当時は本当に身投げするくらいの勢いだったので、一歩間違えれば的な部分はあったと思います^^;

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